裏情報ってどこにあるの?
それはね、君の心の中に(ry

ある家電メーカーを取材したときの話である。対応いただいたのは同社の技術部長さんで、取材場所は大きなショールームを備えた迎賓館的な建物の中にある小さな会議室だった。ところが、取材が終了しないうちに「団体の来客が来てしまったので、しばし休憩させてもらえませんか」ということになったのである。エントランスに出てみると、何だか偉そうな方々がぞろぞろ豪華なバスから降りてきたのが見えた。そこに美しい女性ガイドがぴったりと寄り沿い、営業スタッフは地面を舐めるほど深々と頭を下げて彼らを出迎えている。何だかメーカーの雰囲気に似つかわしくない、異様な光景だった。

 後でくだんの技術部長さんに聞いてみたら、よくあることなのだという。訪れるのは流通関係の方、そしてAV(オーディオ・ビジュアル)機器などの評論家の方々である。特に彼らが気をつかうのが、メディアに登場する評論家の方たち。もちろん、盆暮れの付け届けは怠らない。新製品が出ればすぐに送る。さらには、こうしてショールームに招待して懇切丁寧に説明し、ご批判を乞うてありがたく拝聴し、もちろんお土産も持たせ、夜は十分に接待する。そんな苦労を一通り愚痴たあと、こう自嘲気味に付け加えた。「さっき、ガイドを務めていたきれいな女性がたくさんいたでしょ? 彼女たちはいわば接待要員として、私たち社員とは別枠で採用されているんですよ。私なんかよりずっと高給で」。

 すべての評論家がそうであったわけではないだろう。だが多くの証言によれば、一部にはさまざまな便宜や接待を受けつつ、それが少しでも粗略になれば手厳しく新製品をケナすという不心得な人たちがいたようである。逆に喜んで企業に買われ、金額次第で褒め方の強弱を決めるという御用評論家のような方もいたと聞く。ある方はこう指摘されていた。

「そんな人に限って、周りからペコペコされるもんだから自分は大先生なんだと勘違いしているんですよね。でも、やっていることは恐喝ですよ。そんな人たちに毒されたAV機器雑誌はめっきり面白くなくなって、多くが消えていった。その結果、評論家の方たちも仕事を失ったわけです。自業自得でしょうけど」

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